2012年5月17日

田んぼの荒起こしと草刈。8日目。

「これで動かすか」

あいよっと。

そーれっと。

道路に上げちゃうぞ。



村田住職が哲学の勉強会ということもありまして、田んぼ仕事おやすみにしようと思っていたのですが、助っ人のsouruくんと新さんが、えっ休むのみたいな感じだったので、午前中だけやろうよということで、jusaiがトラクターのオペレーティングということになりました。何度かやったことはあるのですが、田んぼは全面均一の状態ではありませんので、それこそ深い浅いがあって、水口の近くなどは特に要注意で、細かい捌きが必要なのです。臆病なわりに能天気に深いところに行ってしまう大雑把な性格ゆえに、はたまた、行ってはならないと思うと引き寄せられるように行ってしまう癖もあって、やはりというか、行ってはならないところに行ってしまい、トラクターが身動きできなくなってしまいました。トラクターの向きや田んぼの部位の悪さのため、souru くんに2トントラックで引っ張ってもらおうとしたのですが、ボディーが傾いてしまって、横倒しになりそうになりました。なぜ、こんなところまで来てしまったんだと後悔しました。力強いトラクターも、田んぼに沈むただの鉄のかたまりと化している。
そんな時、一台のユニック付きトラックがやってきました。
souruくんに2トントラックを退避してもらって、通過を待とうとして、すんません邪魔しちゃってとぼそぼそ言っていると、運転手さんがトラックから降りてこられて、「はまったの?」とおっしゃいます。見れば、力強そうなブームと鈎が付いていて、思わずとも、あれでなんとかしてもらえたらなあと条件反射のように思ったのでした。ナンバープレートには群馬の文字。荷台真ん中には大きな青い石。ぼんやりしたjusaiがそう思う前に、もしかしたら、状況を見て、すでに決めていたのかもしれない。「力強いブームを指さして、これで動かすか」と最後まで言わないうちに、手馴れた手付きで、準備をなさいます。いいんすか。などと本気で言っている場合ではない。我々もトラクターにワイヤーをかける準備をする。仕事のセンスがすこぶる悪いjusaiでありますが、そばにはこうした仕事のプロ。正確には牽引作業のプロ中のプロ、ネムさんの長子、souruがおるではないか。なんか安心でした。運転手さんはゆっくり、楽しむようにというか、こたつでせんべいでも食べるような余裕の指図を与えれくれます。(N通運のプロドライバーも緊迫した現場、殊に何トンというレベルの重さのものを扱う場合、特にゆっくり仲間とコミュニケーションをとります。しかも正確な用語用法の言葉にて、相手も聞き返すことが無いくらいに正確無比な打ち合わせがなされるのに、いつも感心しているのですが)(そりゃそうだ、失敗したら大怪我するか大損を喰らうしかないのだから)
こっちからあっちに移動しようとしてもすぐに無理だと判断された、見知らぬ運転手(まだこんにちはも言っていない!)の方は一旦、半分頭をもたげているトラクターを下ろして、「吊り上げっか?」と、一応ギモン文の体裁はとっているものの、そうするともう決めておられるのでしょう、虚ろにトラクターの周りで、適当なワーヤーを探しているのを見かねることもなく、「ほれ、。これ使え」と言いながら、草刈のなされた土手にそっと放り投げる。それを後ろにも巻いて、前後で吊ることになった。souruくんが、jusaiの指定した場所ではダメだと他の強い部分を探してくれた。「ここが一番強いと思います」。慣れてるんだなあ。腕力と気力しかないjusaiのまわりで見知らぬ運転手の方、とsouruくんが助けてくれている。こうした時です、jusaiの他人に対する邪念の数々がいっぺんに帰ってくるのです。まわりに助けられてばかりなのにもかかわらず、時には自分ってなんていい人なんだろうと思ったりもしているのですから。
見事にトラクターは全体が吊り上がりました。こっちからあっちに移動すると思っていたのですが、見知らぬ運転手さんは「道路に上げちゃうか」と言いながら道路にそっと我が身のごときブームにてそっとトラクターを置いてくだりました。「助かったあ」「良かったあ」。せっかくだからとちょっと待って、お礼をしたいから待っててもらえますかとお米を取りに戻ったのだった。見知らぬ運転手さんは「お金なんかいらんからね」と決然としておっしゃいました。平身低頭、見送りました。
ほぼ、高島田は終わっていたので、そのまま次のkobayashiRデカ田に入り、また一人でトラクターを動かしました。もうはまりたくないと強く思いながら、あぶなそうな場所にやってきました。エンジンを止めて自分の足で深いかどうかを見ます。大丈夫だ。できるだけ進みたいという気持ちが、ホンの少し、臆病をに勝っています。もうすでに、懲りていないのかjusai。案の定、左にカーブを切ろうとすると後輪が空転しています。またやったのか。まだ懲りてねえのかよjusaiちゃん。すると、今度は視野の右手から人影がやってくる。kobayashiRさんだ。トラクターを降りて、蜘蛛の糸のような救いの言葉をあさる。「このへんけっこう地面、固いから大丈夫ですよね」いきなり大丈夫ですよねなんていいうのはまるで、原子力ムラの常套句じゃねえか。kobayashiRさんは静かに「おう、急カーブじゃなきゃ大丈夫だわ」とおっしゃいます。ですよね。トラクターに戻って左クラッチを切って、そっとギアをつなぐと、空転した後輪に付着した心土(ちょっと青い)がとれていって、トラクターの後輪が地面をつかんでいるではないか。同じ大丈夫という言葉も使う人によって違うのだ。
一人でyoromi田んぼ街道にて田んぼ仕事をするjusai老人なんて考えたくもないのだが、荒い想像でも、やっぱり寂しいもんだなあと思いました。


今日は

takashima田
道路側より。
山側より。

本日新しい伝説がくわった田んぼ。証人はsouru.
  yoromi田んぼ街道は比較的デカい田んぼが多いが、この田んぼが一番では。



kobayashiR田(yoromi田んぼ街道)

これも以外にデカい。


ryushou寺前デカ田
いちばん疲れたの俺だって。


今日は途中まで。

追記

見知らぬ運転手の方は名刺をくださいました。いっぺんに氏素性がわかる。jusaiも作ろうか。




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